身体的な空気の共有

RICHO GR

いつも見ている風景がエアリーな色調になっていた
 
季節の風物詩であり大陸からの贈り物の、PM2.5の濃度が上がっている。
例年通りの時期にやってきた。
 
北陸の冬の重たい空気に、質量を持った空気がのしかかる。
遠く見える山の稜線が滲んでいる。
 
私達は空気を共有する
 
朝、外に出てご近所さんと
「寒いですね」「そうですね」
などと会話が成立するのは
私達が「寒さ」を身体的に共有しているからだ
 
ここ数年のうちにマスコミに報道されるようになり、
日本でもその値を測定するようになり広く知られるようになっただけのもので、
PM2.5はずっと前から存在していた。
中国が石炭をガンガン燃やし始めたのは昨日今日の話じゃないから。
 
私達は既に、北風とともに来る白く澱んだ空気を
身体的に共有しているのかもしれない。
 
試しに明日の朝、「今日は濃いですね」と挨拶してみようか。